便秘

以下の項目に該当する方は要注意です

  • 便が数日間出ていない
  • お腹が張っている感じがする
  • お腹が痛い(腹痛)
  • 排便してもお腹に残っている感じがする
  • 肌が荒れてきた
  • 市販の便秘薬を飲んでいるがなかなか症状が改善しない

上記のような項目に該当する方はお気軽にご相談してください。
便秘は皆さんも一度は経験したことがあるかと思います。
便秘と聞くと、街の市販薬で済ましたり、症状があっても医療機関に受診しない方も多々いらっしゃいますが、消化器の病気が原因となって便秘が発症している可能性もあります。
当院では消化器専門外来で便秘の診察・治療にも力をいれていますので、お気軽にお問い合わせください。

便秘とは

*

便秘は普段の生活習慣が原因となって発症することが多いですが、消化器の病気が原因となって便秘が起こっている場合もあります。
また、便秘が繰り返し起こっている場合は、痔や大腸の病気の発症率が高いです。

ドラッグストアなどで売られている市販薬を頻繁に飲んでいると、便秘が悪化して市販薬の効果を感じにくくなってしまいます。
腹痛を感じたり下痢や便秘が何度も起こる、下腹部が張った感じがする、頻繁に便秘が起こる場合はお早めにご相談してください。
消化器の検査を実施し、便秘が生じる原因を特定して治療を受けるようにしてください。

便秘の種類

便秘は「便を一定の量を出せていない状態」をいいます。
排便のない日数に決まりはなく、人によっては毎日排便をしていても、残便感を感じる・排便の際に強く力むようなら便秘となります。

機能性便秘

便を外に出そうとする腸管の運動(蠕動運動)に異常がみられることで便秘が生じます。
自律神経系が消化管の動き・働きに関与しているため、精神的なストレスに影響を受けることがあります。
機能性便秘には、更に「弛緩性」「痙攣性」「直腸性」の3種類に分類されます。

弛緩性便秘

消化管の蠕動運動に関わっている筋肉の働きが低下することで、便を肛門まで上手に運べない状態となり生じてしまう便秘を「弛緩性便秘」といいます。
年を重ねるにつれて筋肉の機能が低下したり、普段の生活習慣が弛緩性便秘に関わってきます。

痙攣性便秘

精神的なストレスなど心的要因が原因となって自律神経系が崩れることで消化管の蠕動運動が上手く進まなくなってしまいます。
自立申請系の乱れによって、排便するまでに時間がかかってしまう便秘を「痙攣性便秘」といいます。

直腸性便秘

消化管内で便が留まってしまい、排便が行えない状態です。
便意を感じていても我慢してしまうことが多い方は知覚神経の感度が悪くなり、便が肛門近くまで運ばれていても便意を感じにくくなってしまいます。

器質性便秘

大腸がん、直腸がん、腹部手術後の癒着、炎症性腸病気などの他の病気が原因となって、便が通過することができないで生じる便秘です。
器質性便秘の場合は便秘が生じている原因の病気の治療から行っていく必要があります。

症候性便秘

消化器系の病気や甲状腺の病気、糖尿病などの合併症が原因で便秘になるのを「症候性便秘」といいます。

薬剤性便秘

喘息や頻尿、パーキンソン病などの病気治療を目的に内服しているお薬が原因で便秘が生じることがあります。
抗コリン薬、咳止め、抗うつ薬などを服用していると腸管の機能が低下することで薬剤性便秘が発症することがあります。

便秘の際に気をつけたい消化器系の病気

  • 大腸がん
  • 炎症性腸疾患
  • 過敏性腸症候群
  • 腸閉塞

下行結腸やS状結腸に大腸がんが発症すると、大腸がんの初期症状として便秘が生じることがあります。
大腸がんは発症初期の段階で発見することができれば根治を目指すことができると言われています。
急に便秘になったという方は、些細なことでも構いませんのでお早めにご相談していただければと思います。

大腸がん以外でも、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)、過敏性腸症候群、腸閉塞(イレウス)でも便秘が生じることがあります。
どの病気も早期治療介入が必要となりますので、お早めにご相談してください。

便秘の検査と治療法

*

診察の際は、先ずは問診を確認します。問診では症状や病歴、家族歴、飲んでいる薬の種類、生活習慣などについて確認します。
総合的に診断するために、必要に応じて血液検査、大腸カメラ検査、腹部エコー検査などのを受けていただくこともあります。

便秘の治療では、お薬による治療と並行して、食事や運動習慣の改善も必要となります。
便秘の治療は少しの工夫や普段の生活習慣の見直しをするだけで効果を実感できることがありますので、無理せず継続していける治療内容を医師と相談していただければと思います。
お薬での治療では、腸管内の水分量を増やして便意を促す緩下剤、便自体に水分量を増やす浸潤性下剤、腸管を刺激して蠕動運動を促す刺激性下剤、漢方薬など、便秘のお薬も様々あります。
症状等を確認して、皆様にあった最適なお薬を処方していきます。

便秘が長引く際はお早めにご相談ください

排便時によく力んでしまう、排便時に力んでも便が出ない、1週間以上便意がスッキリしない感覚がある方は、お早めにご相談してください。
便秘はよくある症状といって軽視されることが多いですが、放置していると便秘が慢性化して治りにくくなることもあります。
また、便秘症状を引き起こしている病気が消化管内で発症している可能性もありますので、少しでも違和感を感じたり、不安がある方はお早めにご相談ください。

監修:たじま医院 副院長 石井宏則