睡眠時無呼吸症候群(SAS / Sleep Apnea Syndrome)の検査、治療ができます!

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皆さま、こんにちは。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)をご存知でしょうか。睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に無意識の状態で呼吸が止まっている状態のことをいいます。医学的には、一回に10秒以上の呼吸の停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸の状態が一晩に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸とされます。
寝ている際に起こっている際に生じる無呼吸は、本来休息するべき時間における酸素不足を引き起こし身体や脳に深刻な影響を及ぼす可能性があるものの無意識であるが故、なかなか気付くことができません。2019年のデータでは潜在的に900万人の方が罹患している可能性が指摘されているものの検査・治療を受けている方は10%にも満たない推計されています。( Benjafield AV, et al: Lancet Respir Med 2019; 7(8): 687-698.)

睡眠中の酸素不足がおこす身体への負担は?

日中活動している身体と脳を休ませる時間が本来の睡眠の目的です。人生の1/3は睡眠時間ですから、その最中に呼吸の停止が繰り返されることで、体内の酸素が減少するため、それを補うため、身体は心拍数を上げます。結果的に寝ている本人に自覚はないですが、断続的に覚醒した状態となるため、身体には大きな負担がかかります。
結果的に、日中の強い眠気や倦怠感、集中力低下などが引き起こされ、生活の質や社会的評価、活動に影響が生じる可能性があります。

SASの代表的な症状は?

寝ている時間は自分ではわかりません。ですから、このことについてご家族やパートナーにきいてみる事をお勧めします。下記の症状に該当する方、当院のセルフチェックで疑わしいと判断された方などは、ご相談されることをお薦めします。

寝ている時間>

  • いびきをかく
  • いびきが止まり、大きな呼吸とともに再びいびきをかき始める
  • 呼吸が止まる
  • 呼吸が乱れる、息苦しさを感じる
  • むせる
  • 何度も目が覚める(お手洗いに起きる)
  • 寝汗をかく

<起床時>

  • 口が渇いている
  • 頭が痛い、ズキズキする
  • 熟睡感がない
  • すっきり起きられない
  • 身体が重いと感じる

<日中>

  • 強い眠気がある
  • だるさ、倦怠感がある
  • 集中力が続かない
  • いつも疲労感がある

睡眠時無呼吸症候群(SAS)で起こる病気について

睡眠時無呼吸症候群(SAS)には、様々な生活習慣病が合併することが知られています。
適切な睡眠がとれない事により、生活習慣病の発症のリスク増大や罹患されている患者様においては病状の悪化を及ぼす可能性があります。

2010年には日本循環器学会からの「循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン」が示され、循環器疾患とSASとの関連が重要視されました。さらに「高血圧治療ガイドライン2019」において睡眠時無呼吸が二次性高血圧の原因の1つと位置づけられています。

また米国のデータですがSASに罹患している方は、SASの重症度が増すほど糖尿病の合併率が高くなることが示されました。(Reichmuth KJ, et al: Am J Respir Crit Care Med 2005; 172(12): 1590-1595.) さらにSASの重症例では脳卒中・脳梗塞発症リスクが3.3倍になることが報告されています。

では睡眠時無呼吸症候群(SAS)にならないためにはどうすればよいのでしょう?
①適正体重の維持

まずは太りすぎないことが重要です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は喉や首まわりの脂肪の沈着がその発症に大きく関与するとされています。現在、標準体重を上回り、太っているとしたら適正体重を目指すよう心掛けましょう。すでに治療中の方にとっては、やせることも治療になります。

②飲酒に注意

飲酒後の睡眠はいびきをかくことが多くなります。これはアルコールによって全身の筋肉が弛緩するためです。首や喉まわり、上気道を支える筋肉も例外ではなく気道が一時的に狭くなります。通常睡眠時は、基本的には筋肉が緩んでいますので、そこにアルコールが加わればさらに無呼吸が生じるリスクを高めることになります。

③鼻症状の改善~鼻呼吸の重要性

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの疾患をお持ちの方は、本来の鼻呼吸がしにくく口呼吸になる事があります。口呼吸は、鼻呼吸とくらべて咽頭が狭くなることが多く、上気道が閉塞しやすい状態になります。

④睡眠薬服用の注意

睡眠薬の使用により、無呼吸症状を悪化あるいは助長させる事があります。状況により
主治医とよく相談することが大切です。

まとめ

大事な点は早期発見し、早期対処をする事です。そのためには診断(検査機器の貸出を行い、ご自宅に持ち帰り検査をして頂きます)をおこない、治療(ご自宅で日常的に治療します)をおこなうことです。当院では睡眠時無呼吸症候群(SAS)によって生じる可能性のある生活習慣病の予防、生活習慣病の治療中の方には悪化させないことを目的に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断から治療(CPAP療法)をシームレスにおこないます。お気軽にご相談ください。