新型コロナウィルス感染症以外の疾患の救急対応について

第6波のなか、新型コロナウィルスに感染された方が増えている状況で病床数の確保が問題になっています。その中で当院は病床を持っていません。来院される患者様の病状によっては、高次機能をもつ病院への搬送が必要な場合があります。

これは、医療あるあるなのですが ”救急で搬送が必要な患者様は、診療時間ギリギリで来院される。” というのがあります。日本人の器質であるのかわかりませんが、耐えて耐えて限界ぎりぎりになってから来院されることがままあるのです。当然、どの時間に来院されようが我々医療者は全力を尽くすよう教育をされてますから、できる限り頑張ります。

ところが、最近のコロナ禍で一般の疾患の救急搬送が断られる事が多くなってきました。特に午後から夕刻にかけては顕著です。昨日も夕刻にいらした患者様の対応で、都内18件の病院に搬送依頼をしましたが、すべてお断りされました。救急部にいる友人(都心部の3次救急に勤務しています)に聞いても、”一晩で20件の搬送依頼を断らざるを得なかった”(恐らく70-80件近く搬送依頼があるものと思われます)とか ”受け入れたくても、ベットが満床で受け入れる事ができない” など悔しい思いをしている事を感じました。

社会としてコロナの患者様を優先せざるを得ないことは理解できますし、当然だと思います。どのような組織でもマンパワーやキャパシティーの限界があります。その結果、コロナ以外の疾患における対応は低下せざるを得ないことは必然になります。地域の住民の皆様の命を守る使命をもつ我々は、なるべく症状の軽いうちにご来院頂き、診療所レベルで治療が完了することを目指すことになります。

皆さまにおかれましてはご自身のため、可能な限り怪我などをしないようご注意して頂きたいこと。そして、可能であれば症状の軽いと感じられる時期に早期受診して頂きたいと思います。