感染性胃腸炎の流行
国立感染症研究所の発表する感染症発生動向調査によると、今年の冬は感染性胃腸炎の報告数が増加傾向にあるようです。その後には手足口病、A群溶結製連鎖球菌咽頭炎と続いています。
感染性胃腸炎は、ウィルスや細菌が胃腸内に入ることにより生じます。一年中発生はしますが、一般的には夏は細菌性が多く、冬はウィルス性が流行する傾向があります。原因として(今は冬ですからウィルス中心に話をします。)ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウィルスが多く、そのなかでもノロウイルスは感染力も強く、20℃前後の常温で1ヶ月ほど感染力を失わないとする報告もあります。このノロウイルスの感染経路は二枚貝や魚介類などの食品や汚染された水、またペットや人との接触での感染することもあります。
症状は下痢はほぼ必発です。その他に悪心、嘔吐、腹痛、発熱です。治療の基本は症状によりますが、点滴による補液と整腸剤や乳酸菌製剤の使用などの対処療法となります。つまり、ウィルスが下痢や嘔吐などの形で自然に体外に排出されるまで耐えるしかありません。。。(涙) したがって罹らない事が大事です。
感染予防で大事な事は手洗いです。消毒方法としてはエタノールに対する抵抗性がある為、次亜塩素酸ナトリウムを使用します。(これは当院でも、ノロウィルスの可能性のある患者さんの診察の後には、次亜塩素酸での物品消毒を行っています)また、熱で感染性は失われるため、衣服や布製品は洗濯後に乾燥機をかけることが有効です。この熱で感染性が失われることから、食品には加熱処理(75℃以上で60秒以上)が大事です。
皆さま、年末にかけ十分に注意され楽しくお過ごしくださいね♪